


もうひとつの日本画
第一章:南画って知ってる? 近代の南画家・小室翠雲
第二章:池上秀畝と花鳥画の世界
2023年3月3日〔金〕- 2023年7月17日〔月・祝〕
開館日:金、土、日および祝日
開館時間:10:00-17:00
近年、南画がささやかなブームとなっています。深い教養に対する憧れだけでなく、人里離れた渓谷に高殿(楼閣)を構えて花鳥や景色を愛で、書籍に親しみ、気の合う人と酒を酌み交わす、そういった文人たちの理想の生活に対する羨望のまなざしは、変化の大きな現代社会に生きているからこそ強まっているのかもしれません。中国の南宗画に由来するこの絵画様式は、日本では池大雅や与謝蕪村といった職業画家や俳人たちを魅了し、南画としてのびやかな独自の世界を築いてきました。南画は明治に入ると西洋絵画などに押されて徐々に下火になりかけますが、富岡鉄斎の登場や洋画家たちの間でも南画を楽しむ人たちも登場しました。
この近代にあって、南画の普及に尽力した一人が小室翠雲(1874-1945)でした。師である田崎草雲(1815-1898)から南画の将来を託された翠雲は南画復興のため、日本南画院に参加して東西南画家の融合を図り、一方で南画鑑賞会を設立、機関誌 『南畫鑑賞』 の発刊、さらには全国での南画講習会など愛好者のすそ野を広げることに尽力しました。
今回の展示では、小室翠雲の明治から昭和にかけての作品、そして翠雲と同じ時代に生き、花鳥画の存続と復興に励んだ池上秀畝(1874-1944)を中心にご紹介します。生前の知名度に比べ、二人の画家を知る人が今日では少なくなりましたが、多様な日本画世界を照らした彼らの魅力を是非ご堪能ください。
■入館料:大人500円(400円) 高校・大学生300円(200円) 中学生100円 小学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金。※65歳以上の方は100円引、障害者手帳等をお持ちの方は200円引となります。
会期中のイベント(入館チケットが必要です)
■学藝員によるミュージアム・トーク
3月12日 (日)、5月13日 (土)
いずれも午後2時から約30分
■学藝員による絵画のお話スライド・トーク
展示室にて絵画のよもやま話に花を咲かせます。
4月16日 (日) ①上手に絵を描く方法って?
6月17日 (土) ②鑑賞 - 人とちがっていいじゃない。
いずれも午後2時から約40分
※事前申し込み不要。15名様を超えた場合は午後3時に再度お話しますので、それまでの間、近隣にてお買い物等をお楽しみください。